将来へのイメージを飛ばせ
高校時代の三年間、SBTでメンタルサポート
させていただいた競泳選手が見事、
リオデジャネイロオリンピックの切符を獲得!
先日、オリンピック壮行会に招待され、
行ってまいりました。
同じ高校から二人も選出。松本弥生選手と、藤森太将選手。
二人の出身校は、静岡県沼津市にある
学校法人沼津学園 飛龍高等学校水泳部。
※飛龍高校水泳部のNO.1ポーズも「人差し指」でしたので、
写真の時のNO.1ポーズは慣れたものでした。
松本選手と藤森選手は現在、ミキハウス所属。
二人が日本体育大学から現在までのコーチであり、
太将選手のお父さんでもある藤森コーチも当然ですが
ご列席されていました。
チーム藤森による今回の五輪日本代表は6人。
これは日本の競泳史上初だそうです。凄い!
沼津学園・飛龍高校水泳部のオリンピック出場は、
これで3大会連続。これは静岡県競泳史上初。これも凄い!
そして、松本弥生選手は、
2大会連続オリンピック出場は水泳部初。
凄い尽くしです!
藤森太将の思い
オリンピック壮行会で、
私が強く印象に残っている思い出があります。
それは、飛龍高校水泳部が初のオリンピック選手を
輩出した2008年、北京オリンピックの壮行会に
呼んでいただいた時の事です。
帰り際、お客様をお見送りのため並んでいる
飛龍高校水泳部の生徒達に、
「これでオリンピックがイメージできたろう。
今度は君たちの番だよ!
その時はまた壮行会に呼んでね!」と言ったら、
「当然です!次に行くのは僕です!」と、
0.2秒で答えたのが藤森太将君。
えっ!? 私は全員に向けて言ったのですが。
ただ、そう宣言した太将君ですが…、
高校最後のインターハイは10位。決勝にすら残っていません。
そういう結果になると「オリンピック選手になる!」
という目標は夢どころか妄想になり、
やがてシャボン玉の様に消えていくのが普通。
でも、彼の脳は、高校の時からインターハイの決勝ではなく、
オリンピックの決勝にイメージを飛ばし続けていたのでしょう。
だから、荻野公介選手、瀬戸大也選手という世界王者の間に
堂々と割って入り、個人種目で五輪切符を奪い取れたのです。
実際彼はこの日のスピーチでも、会場の後ろにいる
現役の水泳部の後輩たちに向かって、
『僕は高校時代、決勝にも残れない選手でしたが、
22歳で日本代表となり、24歳の今、
オリンピック代表になれました。
だから、ちょっとくらいダメだからといって夢を諦めず、
追い求めていって下さい!』と熱く訴えてくれました。
オリンピックに選ばれ、
「ありがとうございます!応援よろしくお願いします!」
だけでなく、こういう発言をすること、
これこそオリンピアンの役割です。
だって、結果を出した人の発言は良くも悪くも説得力を持ち、
人は信じてしまう。
だから結果を出した時には、この時とばかりに、
聴いてくれる多くの人達のイメージや人生観を
変える発言をすること、
それがトップアスリートのやるべきことなのです。
そんな藤森選手の発言にも感動しましたが、
それを真剣な顔で聴いている後輩の水泳部員の顔を見て、
更に感動し、泣きそうになってしまいました。
松本弥生の思い
松本選手のロンドンからの4年間は、
辛い事の方が多かったと聞いていました。
それもそのはずです。次も狙うと決めたら、
周りも自分も何段階上のレベルアップを期待します。
ただ、それまで最大の夢だったオリンピックを終えた後の
バーンアウト(燃え尽き症候群)は、
経験した人じゃないと分からない。
彼女に限らず、2回目のオリンピックは、ただ
「誰々に勝ちたい!」「オリンピックに出たい!」では、
心を燃えさせることも、ワクワクさせることも出来ない。
記録が上がらないことより、燃えられない、
ワクワクできない自分に苦しみ、
負のスパイラルに入っていきます。
でも、そうだからこそ、自分が水泳をやる意味や、
2回目のオリンピックを目指す意義を真剣に考え、
相手と戦わず、自分と戦い、
自分と本気で向き合えた4年間だったことと思います。
松本選手にとってロンドンオリンピックまでの4年間は、
私が考察するに、
イメージ力と記録が大きく成長しての出場。
SBTの3つのチカラでいう「成信力」が最大に高まっての出場。
ですが、リオまでの4年間は、人間的に大きく成長しての出場。
「苦楽力」と「他喜力」を蓄えたからこそ乗り越えられ、
果たせた五輪切符獲得。
それはこの日の彼女の顔を見で確信できました。
元気で、明るく、それでいて落ち着いて、
堂々とした雰囲気が全身に現れていましたから。
松本選手と藤森選手。年齢は2歳しか違いませんが、
もっと年齢差があるくらいの感じに見えました。
松本選手が老けて見えるって意味じゃないですよ!
これが初めて五輪に出場する選手と2回目の選手の違いなんですね。
実際、二人の雰囲気の違いは、
二人の指導者である藤森コーチもスピーチの際に同じことを
仰っていましたから間違いないでしょう。
ですから、オリンピック初出場となる藤森選手には、
【オリンピック本番で実力を発揮するためのマル秘メンタル術】
を伝授しておきました。
藤森選手は素直な負けず嫌いですので、きっと実行してくれるでしょう。
ここからの二人
松本選手、藤森選手に限らず、オリンピック選手になってしまうと、
「えっ!?まだあるの?」と、ビックリするくらいに続く壮行会。
皆さんから掛けられる「頑張れ!頑張れ!」の思いを、
プレッシャーでなく、
『楽しさ』、『喜び』、『感謝』に変換し、リオのプールで、
思い切り自分を表現してくれることを心より願っています!